防災訓練「36時間勤務訓練」の内容と実施方法
この36時間勤務訓練は、その人の業務が専門職過ぎて交代要員がいないけれど、休んでいると大多数が身動きが取れなくなるため、公共の利益のために稼働せざるを得ない場合に備えた訓練です。一般人には必要ありません。複数のスキルを有している者や、各方面に決定権限があって、安易に変更できない場合に必要な命がけの訓練です。
防災訓練「36時間勤務訓練」の内容
この36時間勤務訓練で想定しているのは、
- 長時間休息できない状況での生命維持
- 短期集中休息での長期間生活維持
- 長期間交代待ち状態対策
がメインです。発災時には、ストレス、環境の変化、長時間の避難運動、その他の事象により十分に休むことができません。そのうえで、避難所運営のサポートやがれき除去の支援、近所の人々の避難補助などを伴う場合があり、休みたくても休めず、眠れるはずなのに眠くない状態が続く場合があります。
現場で動く場合でも、交代要員がたどり着けない、既に三途の川を渡っている、交代者がいないという状況に直面することがあり、一定の休憩を挟んでの作業継続が必要になる場合があります。例えば専門職、管理職においては交代がおらず、上流工程を休むと、その先の大勢の人々の待ちが発生するような場合があります。
実際はさすがに交代要員がいるはずですが、発災時、周囲にショベルカーを操作できるものがおらず、救助のためにショベルカーを稼働・救助、その後、トラック運転による運搬が必要だが免許のあるものが一人しかおらず、避難所では水の確保のために人員が不足、テントの設営が追いつかずサポート、そのまま汗を流して眠ろうにも眠れずに次の業務が開始、というケースが稀に発生します。
この時に訓練していないと適度に休息を取れずに事故を起こして二次災害が発生します。災害現場においてスキルがある強者はどこでも求められるため、多数の弱者のためにやむを得ず動く必要があるケースがあります。
実施方法
この36時間勤務訓練は簡単で、
合計36時間、所定の勤務を継続する
ことができれば、形は何でも構いません。
【訓練事例1】
訓練時間:36時間
(労働8時間休息1時間を4回繰り返す)
大きな事故や人命に関わらない勉強・データ処理・ゲーム・屋外での歩行継続などを通じて、長時間の行動と最短の休息を繰り返して、36時間を耐え抜くもの。
※ある程度若く、持病がなく、24時間勤務訓練を終えているもののみ実施可能。
【訓練事例2】
訓練時間:35時間
(労働4時間、休憩1時間を7回繰り返す)
ある程度訓練に慣れていて、継続の自信がある場合にのみ実施可能です。公共の場での訓練(実労働としてトラックやクレーンを運転するなど)は危険なので行わないでください。
【訓練事例3】
訓練時間:25時間
(労働4時間、休憩1時間を4回繰り返す)
比較的多くの方が経験しているものです。16時間で4時間の睡眠なのでそれほどきつくはないはずですが、慣れていない場合は苦痛に感じるはずです。0才児の子育てよりは楽なはずです。
注意点
長時間動き続ける、じっと静止し続けるのは非常に健康に悪いです。適切に自身の健康状態を把握し、危険の予兆を感じたら即訓練を中止して、栄養補給と睡眠を取ってください。
経験上、16時間~24時間の段階で睡魔と朦朧の時間が訪れます。また、長時間睡眠を取らないのではなく、4時間に30分、2時間に15分など、適度に休息を取ることで長丁場に耐えられます。食事回数を固定し、6時間(3時間)に1回のペースで固定で食事を摂ると長続きさせやすいです。
限界まで眠い時に仮眠を取れば、そのまま訓練中止レベルにじっくり睡眠を取れるか、ショートスリープで済んで継続できる場合があります。これは賭けになるので、日頃からショートスリープの訓練をするのもありです。
長時間労働は過労死を招きます。半年に一度、3ヶ月に一度など、十分に体力があるときだけ実施し、発災予兆のあるときには実施しないでください。