防災訓練「テント組立訓練」の内容と実施方法

このテント組立訓練では、怪我なく、可能な限りの短時間で、最小の動作でテントを組み立てられるようにすることが目的です。購入だけして組み立てしていないテントは、設営が難しくすぐに設置できずに体力をムダにします。屋外避難、校庭避難などをする場合、各自のテントの組み立てができた方が良いケースがあります。

 

防災訓練「テント組立訓練」の内容

このテント組立訓練は、テントさえ所有していれば誰でも実施できる比較的簡単な訓練です。

  • 市販のテントの設置と回収
  • テント付属設備の設置
  • 単独でのテント組立

を想定して訓練を行います。基本的にテントの組立は急ぐ必要はなく、時間と手間さえかければ一人でも設営は可能です。テントの設置に必要な腕力や、設営までの効率、回収時の工夫などを学べれば十分です。

 

テントには数種類あり、

  • ワンタッチテント
  • ドームテント
  • ツールームテント
  • ワンポールテント
  • ソロテント

などがあります。これらは、最近のものであれば設営は簡単で、それほど重さもないですが、古いテント設備は非常に重く、錆びている場合があるので、若干腕力が必要になります。小中学校の運動会で経験するのはワンタッチテントです。あのタイプのテントが設営できれば、他のテントはだいたいなんとかなります。

 

実施方法

まずは、手頃なテントを購入し、テント設営できるだけのスペースとして、原っぱ、公園、駐車場などを確保してください。ペグまで打ち込む必要はないですが、理想はペグの打ち込みも含めて練習できたほうが良いです。

 

このテント組立は、一般避難者はほぼ触れることはないように思えますが、避難が早かった場合や、追加の避難スペース確保のために、避難所内の人々が協力して取り組むべき状況になるケースがあります。その時に

  • 力がない
  • やり方がわからない
  • 見ているしかできない

というのは、周囲への申し訳なさや劣等感などが募って精神的にマイナスになったり、周囲から反感を買う場合が稀にあります。避難所では全員が被災者なので、全員が被害者ですが、その中でも被害者ぶって何もせずにいて、サポートを受けるだけ…という立場になると居心地が非常に悪くなります。

 

人のためではなく、自分のメンタル維持や避難所でのポジション確立のために、テントの設営くらいはできたほうがいささかマシです。もちろん、全くできなくても良いですが。

 

テントの設営ができる、自分とその家族が寝起きするくらいのテントは設営できるのであれば、感染症の危険のある、ペットの受入不可な避難所に行かなくても、テントで家族を守れる可能性があります。高台に避難した場合、避難所ではない場所にかろうじて避難した場合には、一時的にでもテントを設営できたほうが生存確率が上がります。

 

注意点

訓練中に精神を病んだり、致命傷を負うことはほとんどないですが、金具に指を挟んで内出血したり、パイプがぶつかって怪我をしたりする可能性があります。

 

また、設営してはいけない場所でテント設営訓練をすると、管理者に怒られる可能性があります。理想はキャンプ場などでテントを張って一泊してみるなど、周りに迷惑をかけない形で訓練をしてください。

 

小規模のテントであれば、広い室内でも組立は可能です。その際、子どもの目やガラス、テレビの画面などに気をつけ、周囲に怪我や破損を起こさないようにしてください。

 

スポンサーリンク

防災全般

Posted by 防災士