災害ボランティアになるには
災害ボランティアを行うのに特別な資格は必要ありません。自衛隊員、警察官、消防隊員経験者であっても、災害発生した地域に「ボランティア」として行く場合には、現地での受け入れが始まってから行動することになります。内閣府発行の災害救援系資格や医師免許があっても即座に現地にボランティアに行けるわけではありません。
発災後のボランティア受入要請を待つ
災害ボランティアをやる場合、訓練されたボランティアは、現地からのボランティア要請を待ちます。都道府県、市町村の公式ウェブサイトに掲載されますので、情報を待ちましょう。
何の準備もない状態で、ボランティアに向かっても被害者を増やすだけです。受け入れ要請を待って下さい。
地域の災害系講習を受ける
最も分かりやすい行動は、市町村などが実施している防災士資格を交付してくれる講習に参加することです。バッグマスクやポケットマスクを使用した心肺蘇生、AEDの使い方、消火器の使用訓練を受けられる場合が多いです。
即時対応できる場合は実施して
かの有名なヤマザキパンは、その車両が被災したり、被災地が非常に近い場合は、そのパンをそこで必要な人にお配りしても良いという心意気というか、共通認識、社内規定があり、その時、即座に対応できる状況にあるのであれば、対応しましょう。
現地民が災害ボランティアをするケース
例えば、山梨県の山の斜面が土砂崩れを起こし、県道を塞いでいる箇所を見つけた場合、
- 国土交通省|道路緊急ダイヤル(#9910)
- 各地域の国道事務所
への連絡をしてから対処可能な場合にのみ、対処しましょう。発災直後で、手が足りておらず、のこぎりで切ればなんとか移動できそうな倒木なのであれば、少し時間がかかっても安全に留意して倒木を細かく切ってしまって、道の端に置いていくという行動は可能です。
※ただし、山の所有者に許可が必要なケースがあります。ただ、山の所有者や管理者が対処するとなるとお金もかかってしまうので、倒れて道を塞いでいると賠償だ何だ面倒になるのは山の所有者だったりもするので、国道事務所に連絡してから、許可を仰いで行動したほうが無難です。
共助も災害ボランティアの一つ
また、地震で、自身の家の隣の家屋が倒壊し、中に人がいるのが分かる場合は、救急(#119)連絡しつつも、状況をしっかり判断して行動した方が良い可能性があります。発災時は救急車が来ない可能性もあるので、倒壊した家屋の中に放置するのが危険なケースもありますし、助けようとして倒壊した家屋がさらに倒壊して圧死する可能性もあります。
両者を天秤にかけ、安全に十分配慮して、救出可能だ、と判断できた場合にのみ、救助を開始するのも一つの手です。こうした共助も災害ボランティアの一つです。
倒壊家屋に取り残されていて、救助が難しい場合は、食糧や水を渡せるようなら渡したり、欲しい物がないか聞いて渡したりして生命維持を助けるのも良いでしょう。足が挟まっているだけで動けないならば、ジャッキを渡せば抜けられるかもしれないので、現場での臨機応変で、柔軟な対応が必要です。
災害ボランティアとして「使える」人材になるためには
災害発生時に「使える」人間でいたいならば、とにかく鍛えて下さい。筋トレをし、地域のローカル事情を把握し、避難所を把握し、筋力・持続力を高めて、体力をつけておいて下さい。
また、コストのかかる人間生活をやめて下さい。資本主義や贅沢してる人に文句を言うわけではないですが、
- 1日12時間働くのに5千円と2食必要
- 1日12時間働くのに10万円と3食必要
という2人の人間がいた場合、後者ははっきりいって弱いですし、現場にはそんな余裕ないので、コストのかかる人間まで世話してやる必要ないです。発災時には豪勢な食事もきれいな食器も温かい米や味噌汁もないとお考え下さい。
日頃から過剰な贅沢で生きていると発災時にお荷物になります。健康を害しない程度に、さまざまな食事スタイルに慣れておき、発災時の食事でも文句言わないくらいの精神力くらいは身につけておいて下さい。発災時は現金より命優先です。
さまざまなトレーニングと訓練を行う
発災を想定して、経験を積んで下さい。
倒木がどのくらい重いか、どうすれば倒木を処理できるか、木材のがれきの表面がどうなっているか、発災後の不快害虫をどうするか、数日シャワーを浴びないで外にいるとどうなるか、発災時に備えてジャッキやバールは持っているか、など災害が起きていない平和な時に、災害発生を想定して「訓練・トレーニング」を行って下さい。
発災用の物資を揃える
いわゆる防災用品、防災バッグの用意も重要ですが、それ以外に
- 発煙筒
- ジャッキ(まれに使う)
- バール(ほぼ使わない)
- 虫除けスプレー
- 包帯
- 消毒液
- 携帯トイレ
- アルミシート
- 毛布
- 貯蔵食糧
など、救助の補助や、共助の一環として消耗してしまってもよい何かを用意しておきましょう。大型の発電機、テント、キャンプ道具一式、高圧洗浄機、消火器などたいていは公共的に用意されている高額なものでも、個人で所有していると大いに役立つ場合があります。
※ほとんどの場合、灯油で動くような巨大な発電機などは使わないまま倉庫の肥やしになります。日頃使う可能性があるもので、少しスペックが上位のものを用意してあれば十分です。キャンプ慣れ、ガチ登山装備を持っている人は発災後生き残れれば、なんとかなるでしょう。
何が必要になるかは、地域によってさまざまで、過程によっても用意すべき物資はかなり差があります。
事前に何が必要か、各家庭、個人ごとに調べておき、最低限自分のものは備えておいて下さい。まずは自助、その後に共助です。