防災訓練「”超”閉所生活訓練」の内容と実施方法
この超閉所生活訓練では、被災してほぼ身動きが取れない状態になって、救助を待つために生命維持をする訓練です。たいていは72時間せずに何かしらの外部からの働きかけや救助がありますので、訓練時間は最大72時間で十分です。この72時間で起こる身動きの取れない超閉所でのトイレ、食事、姿勢維持することの難しさや対策を学ぶのがこの訓練の目的です。
防災訓練「”超”閉所生活訓練」の内容
超閉所生活訓練が想定しているのは
- 布団から出られない程の空間での生命維持
- テント内での生命維持
- 高さ50cm程度の空間での生命維持
で、被災してがれきに埋もれて、目の前に木材があり、手が届くレベルの厳しい状況を想定しています。いきなりこの訓練に取り組まずに、まずは閉所生活訓練をクリアし、長時間の閉所生活で起こることと、自身の欠点を理解し、改善した状態で取り組んでください。
この超閉所生活訓練の目的は
- 極限環境での生命維持
- 超閉所での生活維持
だけです。事前に取れる対策は取っておいて良いですが、おそらく食事よりもトイレと、排泄物の管理、姿勢の不自由さ解消法などで苦しむかと思います。
実施方法
まずは超閉所を実現するための方法を探してください。
- 第三者協力監視の元、極小テントにて生活する
- 4畳半の室内にてトイレ使用を禁止する
- トイレと足の使用を禁止する
など、実質超閉所での生命維持と同じ環境・状態にして訓練を行うのも良いでしょう。ほぼ寝たきりになり、実際に被災している場合は一切の身動きが取れないこともありますが、この場合、防災バッグへの到達、水分補給、食料確保のどれかが不可能な時点で救助を待つしかありません。
この訓練では、電気、水道、ガス、ネット回線は使用禁止です。実際の被災状況と同様、どの装備にも手が届かないレベルの被災になるため、文字通り極限状態での生命維持を体験してください。
【訓練事例】
訓練時間:24時間
※電気・水道・ガス・ネット回線・トイレ・起き上がり禁止。所定の条件、空間内で生命維持をする難しさと対策を学ぶのが目的。
※限界を感じたら、その時点で限界に至った事項を修正して、再度1から訓練を再開しても良い。
例えば、部屋の中で排尿するのは耐えられないので、寝る時に枕元に使い捨てトイレや防災バッグを置いておく。また、使い捨てトイレの使い方を確認して、再度訓練開始するなど。
注意点
閉所生活訓練と同様に、限界を感じたら、訓練をすぐに中止して、通常の生活に戻ってください。
訓練中に起きたこと、感じたこと、トラブルは全て漏らさず記録してください。
基本的に数回のトイレで困り、あとは姿勢維持や姿勢変更に苦しみつつ、暇な時間をどう過ごすかが問題になります。実際に被災した場合に、気温・換気が適度であれば、48時間は案外なんとかなります。現実では72時間を超えるとさすがに救助が来るか、三途の川を渡っているので、72時間以上の訓練をする必要はありません。