災害時の現場で起こり得ることと対策

災害発生時には、警察も救急も逼迫して、社会全体が機能しなくなります。人の助け合いに触れられるケースもありますが、人間の醜い部分や身近な人の本性が現れることもあります。災害発生時に、避難所などで起こる危険を知り、自身と家族の身を守れるよう備えておくことを強くおすすめします。




他人を信用しないこと

災害発生時に起こることがある問題は、以下の通りです。

  • 窃盗・強盗
  • 女性への強姦・性的暴行
  • 未成年への性的暴行
  • 誘拐
  • 詐欺
  • どさくさに紛れての殺人

特に注意してほしいのは避難所で過ごす女性・女児です。夜間でも昼間でも避難所の個人のスペースにいて、周りに人がいない時「まさかこの人が…」という人が襲ってくる可能性があります。災害発生時は、人間にとって異常事態なため、訛り腐っている野生の本能が呼び起こされて理性が狂う人が増えます。

 

隠れた場所で女子児童が性的暴行を受けるケースもあるので、避難所でも、あまり他人を信用せずに、丁寧かつ礼儀は通しな接するようにしましょう。女性ばかり自衛しなくてはいけないのは理不尽ですが、起こる可能性がある事に対しては男女関係なく備えるしかありません。

※避難所としてできることは、男性と女性をしっかり分ける、監視者を必ずつける、監視者も監視する、避難所運営スタッフも監視するなど、問題発生を防ぎましょう。

 

事故に見せかけた殺人

地震により建物が倒壊しかけていて、逃げ遅れそうな場合、また、逃げ遅れて閉じ込められた場合、日頃からの恨みを抱えている家族が、家族を殺害して災害のせいで死んだように見せかける事例もあります。柱の下になったように見せかけたりできてしまう状況になっていると、そういう事も起こりえます。

 

家庭内で威張り散らさない、妻を大切にする、夫を大切にする、親を大切にするなど常識的な良好な関係を築けていればそんな心配はないですが、そうではない家庭が多いのも実情です。

 

火事場泥棒・詐欺

倒壊しかけている家や、避難してもぬけの殻の家から、車やバイク、金目の物を盗んでいく不届き者も残念ながら発生します。普段から潜んでいる泥棒が動くだけというケースもありますが、ご近所トラブルがあった人が、嫌がらせとして何かすることもあります。

 

災害発生後に色々壊れて、失って、自暴自棄になっていて、でも誰も見ていない状態になると、その人は本性を出します。

 

また、被災者に対しての詐欺も起こります。災害が起きて避難している人に対してまで詐欺を働くなんて、とんでもなくひどいことですが、正常な判断ができなくなっている時が災害発生時でもあります。保険金が出るとか、建物の修繕をするとか、いろんなシーンで詐欺を働こうとする人が出てきますので警戒しましょう。




口論・けんかトラブル

災害発生時はみんな限界に近づいている状況です。家族内で口論になることもあれば、避難所運営スタッフ同士でけんかになって口論して、雰囲気を悪くすることもあります。

 

我慢をしすぎない、適度に快適な状態を維持する、きちんと寝て、シャワーをしっかり浴びて、食事をしっかりとっておくという自己管理も大切です。

 

避難所運営のスタッフ同士においては、以下のような言動をルールにすると多少なり平穏になります。

  • イライラしている人がいたら「君、イライラしてるぞ」と言い合えるようにする
  • 食事を欠かさない
  • しっかり眠る
  • 感謝を言葉で伝える
  • 上から目線の態度は禁止
  • パフォーマンスが低下したら即休む
  • 感情の状態を口に出すよう意識する

各自が、今自分がイライラしている時は「あ、私、今、イライラしてきました!」とか「私、今、なんかキツイっす!」って言い合えたほうが、お互いに感情を逆なでする前に相手の状態がわかるので、けんかを予防できますし、相手の見えない所が見えるので、態度や言葉で調整もできます。

 

お互いのこと、お互いの心情が分からないままでいるから衝突するので、運営スタッフは自身の感情を言うことをルールに加えると、若干口論やけんかは減ります。これは、会社の人間関係を良好に保つためにも使えます。

 

感染症・発熱・風邪の増加

災害発生時は、多くの人が

  • 過剰なストレス
  • 不衛生な環境
  • 密集した空間での生活
  • プライバシーが少ない生活
  • 土ほこりや外気に常に触れる
  • 体温が低下する
  • 栄養状態が悪くなる

などの状態になります。これは、土砂や崩壊した家屋のほこりなどを吸い込んで体調を崩して、免疫を弱くしてしまって、風邪を引いたり、気づかずに怪我をしていて敗血症直前になっていたりするケースがあります。

 

食事と体温維持だけはしっかりするよう心がけて、せめてどうしようもないストレスに対する我慢だけできるようにするなど、自分にも他人にも適度に甘くしましょう。熱っぽい時や風邪っぽい時は、すぐに周囲に言いましょう。対処が早ければ、治るのも早いです。




仕切り魔が登場する

地味に厄介なのが、ローカルで、小さなコミュニティにおいて、リーダーを名乗ろうとする輩が必ず出てきます。周囲に指示を出したり、まるで支配者かのように振る舞ったりする人が地域の自治体にも、家族内にも、避難所運営スタッフ内にも出てきます。

 

そういう人は、経験があるとか、過去にやったことがあるとかいう話を持ち出して、その避難所の運営の仕方を根本から変えてしまおうとする事もあるので、面倒なことになる前にスタッフから外すか、別のミッションを与えて黙らせましょう。

 

丁寧な提案ならばまだ良いですが、物資の配布の仕方や管理方法等まで口を出されると、日頃から訓練していた避難所運営のやり方を実践できなくなるので、邪魔なだけです。外部から来たボランティアに限って威張り散らすことがあるので、これにも警戒が必要です。

※災害ボランティアやサポートスタッフは、サポートに徹してください。変えたほうが良いことが確かに存在するケースもあるので、丁寧に提案し、あなた自身で変化に伴う負担を受けつつも、うまく改善するために協力しましょう。

 

予測して対応策を相談しておく&都度解決する

災害発生時には何が起こるか分かりません。ある程度は予測できますので、避難所を運営する予定のスタッフは、事前にワークショップなどを開いておき、起こりうる問題への対処方法をマニュアルなどにまとめましょう。

 

避難所運営は、もっとうまくやれる案が、避難者から出ることもあります。そういう場合には、適切に吟味して、フットワーク軽く対応し、適応しましょう。

 

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防災全般

Posted by 防災士