防災備蓄のめやす|各世帯ごとの構成・人員別
備蓄量は各世帯・構成・人員数で変わってきますが、東京備蓄ナビなど参考にできる柔軟なツールを活用して、備蓄数をある程度把握できます。何が、どれだけ必要なのか知りたい方は、こうしたツールを駆使して、余裕があるうちに準備をしておきましょう。以下、簡便のために一部を参考として紹介します。
備蓄のめやす・参考
以下、厚生労働省の統計より、多い家族構成・世帯構成での、備蓄のめやすを参考として示します。なお、独身・単身世帯は夫婦2人の備蓄数の半分なので各自で算出して下さい。
夫婦2人のみ世帯
東京都防災の備蓄品推奨リストでは上記のような一覧ですが、以下のように置き換えも可能です。
- カセットコンロ1台とガスボンベ12本
- アルファ化米60袋
- 長期保存水20本(1本2L)
- 魚系缶詰20缶
- 野菜系缶詰20缶
- 市販のビニール袋1セット(20L・30枚入りなど)
- トイレットペーパー1セット(12ロール入り|いつも使っているもの)
- ティッシュペーパー1セット(5箱入り|いつも使っているもの)
- 生理用品1ヶ月必要な分
- 懐中電灯と手回し充電器ラジオ
- モバイルバッテリー2個以上(10,000mAh)
- 洗口液・歯ブラシ・歯磨き粉2セット(新品を人数分)
- ビニール手袋・軍手7セット(市販のものをそのまま)
- 使い捨てトイレ40個程度
- メガネやコンタクトレンズの予備
- ホッカイロ(冬場のみ30回分)
- アウトドア用やかんor鍋
フルーツ缶詰はトマト缶でも良いです。主にフルーツが目的なのではなく、缶詰を開けた後の缶に用事があります。この缶に水を入れてお湯を沸かしたり、飯ごう炊飯なり、お粥だったりを作る入れ物として空いた缶が重宝します。
食料に関しては、カセットコンロでお湯を沸かして食べるのみに徹することにしておけば用意が減らせます。災害発生時にはストレスも大きく、やたら甘いものや塩っぽいものを欲しくなる人もいますので、キットカットとか、スニッカーズとか、乾パンなんかがあるとやはり安心感があります。
マスクは必須なのでどこの家庭でも多めに用意があると思いますが、替えの下着なんかはあった方がよいです。靴下、パンツ、シャツなんかも数枚用意があるといざという時に助かります。近年は復旧までの3日から2週間を生き延びることを優先します(避難できれば案外避難所でなんとかなる)ので、冬場は暖房に気を遣い、夏場は水分に気を遣いましょう。
夫婦2人と子ども1人
子どもが1人いる場合は、既に述べた備蓄量の1.5倍すれば基本的には量はカバーできます。ただし、子どものための食べ物、飲み物、暇つぶし道具、常備薬、使い捨てトイレなどが必要になります。
主に、子どものために必要になる配慮や備蓄は次の通りです。
- 指定避難先を間違えない
- スペース確保は早めに
- 毛布がチクチクする(普段使っている毛布を持参した方がよいかも)
- トイレに失敗する(替えの服・下着とニオイ消し・ジップロック等の密閉袋が必要かも)
- 避難所でのお手伝いを穏やかに褒める
- おむつ・粉ミルク・液体ミルクは2週間分用意
- 体用ウェットシート1ヶ月分(よく汚す)
- 太陽光充電できるモバイルバッテリーor充電器
- モバイルバッテリー3台(10,000mAh)
- ネットがなくても遊べるスマホゲーム(事前に入れておく)
この他、避難が必要になる事態が発生する前、何事もない平穏な日々があるうちに、避難所での過ごし方をどうするか、どうしたいかを聞いておき、真剣に備えさせましょう。簡易トイレ、使い捨てトイレは大人でも失敗することがありますので、練習必須です。
完全ににおいを封じ込められる袋が必要になります。大きめのジップロックとか、消臭袋とかあった方が無難です。
また、避難所には靴下や下着類はないと思ってください。体のサイズにあう靴下や下着(1日履くと臭くなるけど、洗濯回数は限られるし、下着の乾燥場所もほぼない)は用意があったほうがいいです。
夫婦2人と子ども2人
食べ物や消耗品の用意量は、夫婦2人の2倍量あればOKです。ただし、人数が増えると装備を大きくしないと間に合わない可能性があります。
- カセットコンロ2台とガスボンベ24本
- アルファ化米120袋
- 長期保存水40本(1本2L)
- 魚系缶詰40缶
- 野菜系缶詰40缶
- 市販のビニール袋3セット(20L以上・30枚入りなど)
- トイレットペーパー2セット(12ロール入り|いつも使っているもの)
- ティッシュペーパー2セット(5箱入り|いつも使っているもの)
- 生理用品1ヶ月必要な分
- 懐中電灯と手回し充電器ラジオ2台
- モバイルバッテリー4個以上(10,000mAh)
- 太陽光ソーラーパネル充電器4台
- 洗口液・歯ブラシ・歯磨き粉4セット(新品を人数分)
- ビニール手袋・軍手14セット(市販のものをそのまま)
- 使い捨てトイレ80個程度
- メガネやコンタクトレンズの予備
- ホッカイロ(冬場のみ120回分)
- アウトドア用やかんor鍋2セット
沸かす水の量が多くなると、当然消費するガスボンベの量も多くなります。このため、一度に2L沸かそうとせず、1Lずつ沸かしたほうが時間を短縮できて効率的ですが、場所を取りますが仕方がないです。消費が早くなって持たないよりマシです。
お湯を沸かすリソースを節約したい場合は、水で長時間浸しておけばなんとかなります。袋麺も水で20分~30分つけてふやかしてから加熱したほうが早いかもしれません。
子どもが小学生くらいの場合は、避難所でのお手伝いもできますが、精神衛生上、動画やスマホゲーム(ネット接続がいらないもの・オフラインプレイできるもの|マインクラフトPEなど)なんかで遊ぶ時間があった方が、周りの大人、親が休めます。
その分、モバイルバッテリーの充電も、本体の充電もガンガン減るので、ソーラーパネルでの充電、自前ガスボンベで発電できる発電機の用意があった方が気持ちが楽です。
- G-cubic(ジーキュービック)G700クレマ KG-071:約14万円
- EENOUR XYG950i-B:約7万円
- HONDA エネポ EU9iGB:約11万円
正直、だいぶ高いですが、ソーラーパネルで追いつかない発電ができ、うまくすれば簡易的小型乾燥機は動かせる上に、本格的な発電機としてガスボンベさえあれば使えるというスグレモノです。この発電機を持っておいて、ガスボンベをローリングストックできるのであれば、かなり強いと言うか、発電機持っているのでだいたいのことは困らないです。
ガソリン式発電機があればその方が強いですが、一酸化炭素中毒に注意する関係上、また、ガソリンを常備できない/しにくい関係上、活用は限られるかもしれません。
必要なのはお湯・火元・電源
もはやキャンプ道具をガチで揃える方向で考えたほうが良いです。電源(発電機|車でも良い)があればなんとかなりますし、火元ができればお湯は沸かせて、なんとかなります。お水はどんな被災地でも届けられるのが比較的早いので、体温維持目的の熱源管理、子どものための暇つぶしの方法なんかを考えて、事前に用意したほうが不安要素を減らせます。
各自、各家庭で必要な備蓄は事前に用意しましょう。多少保管しすぎるくらいでも大丈夫です。こういう時は用意していた人が、用意してなかった人に配るべきではない(争いのタネになるから)ですが、必ず、用意していなかったタカリのような人が一定数出てくる上に、避難所の仕切り役みたいな勘違いマンが、持っている人から持っていない人に配るよう指示することもあります。
備えていなかった人が悪いのは言うまでもなく、備えていた人から奪うのはもっといけないこと(恐喝・窃盗・強盗)です。生き残りをかけてのことなので、善意で他人を救うべきかどうか、タイミングをよく考えましょう。こういう時は甘い人から倒れます。舐められないように。
ただ、例えば、十分に備えがあって、日頃から仲良しの家族付き合いがある2つの家族で、発電機を貸し合ったり、お水を与え合ったり、お互いの子どもの面倒を交互に見たり、とするのは別に良いと思います。防災備蓄、避難をするかどうかなど、信頼できる避難所かどうかも含めて、検討要素は複数あります。
早めに話し合って、早めに備えましょう。
出典・参考
東京備蓄ナビ
https://www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp/
厚生労働省|世帯・構成・世帯人員